不審者、泥棒による侵入窃盗は、私たちの生活を脅かし、心を不安にさせます。
お金や資産が盗まれてしまう心配もありますが、もし泥棒とばったり出くわした時には家族や自分の身が危なくなることもあります。
家の物を守る・家族の命を守る、また不安を少しでも解消させるためには、防犯対策をしっかり施していきましょう。
絶対に侵入されないためには?
絶対に侵入をさせないようにするのであれば、窓やドアを無くしてしまえばいいですし、ドアは簡単に破られないように分厚く重い鉄扉にする、指紋・虹彩認証、レーザー感知システムなど映画さながらのセキュリティを導入すればいいのです。
ですが、それは極端すぎます。何でもかんでもやれば良いわけではありません。
家は銀行の金庫ではありません。1日に何度も出入りはしますし、新鮮な空気を取り込むために換気もします。知り合いが訪ねてきますし、荷物の受け取りでドアを開けたりもします。
そのたびに重い扉を開ける、鍵を何十個も開けていれば時間ばかり消費してしまいます。指紋で開ける、虹彩認証機器など、家庭では手が届かないセキュリティシステムも現実的に考えればまずやりません。
では家庭で絶対に侵入されないようにするにはどうしたらいいでしょうか。
防犯対策に絶対はない
まず頭に入れておくべきポイントとして、防犯対策に絶対大丈夫ということはありません。
どんな手を使っても、どんなに時間がかかってもいいのであれば、侵入することはできます。
しっかり鍵をかけていても、重機を使えばドアは簡単に壊せます。窓もガスバーナーやドライバー・バールを使ったりして割って入る事もできるでしょう。宅配便のふりをして訪問すれば、簡単にドアを開けてもらえる可能性もあります。
いくら頑丈な鍵を取り付けても、鍵をかけていなければいとも簡単に入られてしまいます。
では防犯対策をしても全く意味がないという事なのでしょうか。
防犯対策は侵入されにくい環境にすること
扉を重厚にしなくても、鍵を何十個とつけなくても、犯人が侵入を嫌がる家というのはあります。一見普通の戸建てに見えても、空き巣に何度も入られる家もあります。
そのどちらになるかは、効果的な防犯対策を行うことで変わります。
そこで家庭ではどんな防犯対策をしていけばいいのか、効果的な場所・やり方、をいくつか絞ってご紹介していきましょう。
効果的な防犯対策
まず侵入口として狙われやすい場所は、窓です。その理由はこちら。
窓が狙われる理由
- 鍵がかかっていないことが多い
- 簡単に壊しやすい
- 目につきにくい場所にある
戸建てでもマンションでも窓には十分注意しましょう。狙われる理由には、玄関よりも鍵のかけ忘れが多いことが挙げられます。しっかり戸締りしたつもりでも、ベランダの鍵はあいたままだった、人ひとりが入れるぐらいの小さな窓も狙われるので、お風呂やトイレの鍵もチェック必須。
簡単に壊しやすいというのは、ガラスの種類にもよりますが、1枚ガラス・2枚ガラス、網入りガラスであっても簡単にガスバーナーやドライバーなどで開けられてしまいます。
窓の防犯対策
戸締りをすることはもちろんですが、鍵がかかっていても壊されてしまうこともあるので、このような対策がオススメです。
- 鍵は2つ以上つけておく
- クレセントを変える
- 鍵の周辺は割られにくいよう防犯フィルムをつける
時間や音が出てしまうこともあり、窓の全ガラスを割る手口は少ないです。窓からの侵入方法は主に、鍵の部分に手が入るぐらいの穴をあけたり、ドライバー1本入るぐらいの穴をあけて鍵を直接あけて入る方法です。そのため、もし手を入れられてしまっても届かない位置に別の鍵をつけておくと、これは時間がかかると思った犯人が諦めていくかもしれません。
クレセントを変えるというのは、クレセントを暗証番号ダイヤルのもの・鍵穴がついた鍵に変えてしまうことです。もし直接開けようとしてもまず無理です。
防犯フィルムは鍵近くのガラスを割られにくいようにするシートで、貼り付けるだけなので簡単に取り入れることができます。
続いて、窓以外に行うと良い場所としては玄関でしょう。
玄関が狙われる理由
- 鍵がかかっていない
- 古い鍵でピッキングしやすい
- チェーンしかかかっていない
- サムターン回しができる
- 人目につきにくい
窓と被る理由もいくつかあります。まず鍵がかかっていない、これはうっかりかけ忘れたという理由以外にも、誰かが家にいるから閉めなかった、ちょっと郵便局まで手紙を出しに行っただけだから、といった隙も泥棒は狙っているからです。
チェーンしかかかっていない、というのもそうです。チェーンをかけたから安心して昼寝をしていたら、家のお金がなくなっていた!ということもあります。チェーンはパイプカッターや工具で壊されることもありますし、ドアガードなら紐1本で開けられてしまう動画もあがっています。過信は本当に禁物です!
専門用語にはなりますが、ピッキングはドアの鍵穴のなかをいじって開けてしまう泥棒の技術で、15年前ぐらい前の鍵をまだ使っているとピッキングに弱いものとなります。ギザギザした形の鍵です。強度も弱いので、ホームセンターで安かったので知らずに買って交換してしまった、なんてことがないように、”ピッキング耐性時間”をよく見て購入しましょう。基本的に10分以上ないと、玄関の鍵として不安です。
サムターン回しとは、これがまた専門用語となりますが、こちらはシリンダーの強度は関係なく開けられてしまう手口の1つです。というのも、シリンダーではなく屋内側にある鍵を直接回されてしまうからなのです。鍵が開いていないのにどうやって屋内側の鍵を回せるのかというと、小さな工具が入るくらいの穴をドアにあけたり、のぞき窓・ポストを壊して工具を入れたり、玄関横のガラス・玄関ドアのガラスを割って手を入れたりもされます。
玄関の防犯対策
玄関はまず、ちょっとした時間も戸締りをしましょう。小学生や中学生のお子さんがいらっしゃる方は、お子さんにも戸締りを必ずすることを伝えてください。留守中は安易に「お母さんだよ」「宅配便です」と言われたからって鍵は開けないよう注意してください。
その他は以下のような対策があります。
- 玄関は2重ロックにする
- 覗き窓を保護するカバーをつける
- サムターンを守るカバーをつける
- 古い鍵は交換する、ディンプルキーにする
玄関を2重ロックにしておくと、開ける時間も2倍になり空き巣が嫌がります。古い鍵を交換する時は、ピッキングに強いディンプルキーにしておくと、もともとどの鍵がピッキングできるか知っている犯人なのでまず狙いません。ディンプルキーが2つついていればなお良し!
覗き窓を保護する理由としては、サムターン回しの工具を突っ込まれにくくするのと同時に、外から覗かれないようにも出来ます。サムターンを守るカバーは専用のグッズが売られていますが、ペットボトルを使ったり自作で対策されている方もいます。
その他の防犯対策
- 防犯カメラ
- センサーで光るライト
玄関でも窓でも挙げたのですが、人目につきにくいというのが犯人の大好物となります。
人目につきにくい場所となるのが、家自体が奥まったところにある、街灯が届かず夜になると真っ暗になるところ、ブロック塀が高くて植木が生い茂っているなどしてガラスを割ったり侵入しようとしているのが周りにばれにくい、ベランダの塀が柵や透けて見える素材ではなくて周囲から全然見えない、などなど。
プライバシーの観点から、外から家の中が見えにくいようにしたくなるのは当然ですが、その分人目につかないので侵入しようとしている犯人を隠してしまうのです。
そこで、そういった場所にはセンサーで光るライトを取付けたり、音がなるものを仕込む、防犯カメラを取付けたりして対策してみてください。